歯磨剤の種類について~予防歯科~
- 2023年10月23日
- 予防歯科
こんにちは。
菊川・森下・清澄白河の歯医者、ふみデンタルクリニックでございます。
今回のテーマも当院が最も力をいれている『予防歯科』で大切な『セルフケア』についてお話をさせていただきます。
今回は日常的に皆様が使用される機会も多い歯磨剤(歯みがき粉)を種類別に説明いたします。
そもそも歯磨きって水だけではだめなの?と思われる方もいらっしゃると思います。
「清涼感がありさっぱりするから」「薬用成分がむし歯や歯周病に効くから」というのは想像しやすいと思いますが、
実はそれ以外に
歯磨剤をつけたほうがプラーク(磨き残し)除去力が高い
歯磨剤をつけて磨くとプラーク付着量が減少する
ということがわかっています。その他にも歯周病やむし歯予防だけでなく、知覚過敏症状を軽減したり、着色除去しやすくなるなど、歯磨剤の効果は多岐にわたります。
★歯磨剤の分類~partⅠ~★
①薬用成分の有無によるもの
・医薬部外品→基本成分に薬用成分が加えられている
日本で販売されている
約90%にフッ化物が配合されている
・その他→基本成分でできているもの
②剤型によるもの
・練り状(ペースト)
・液状→液状歯磨剤と洗口剤は別物!
液状歯磨剤とは洗口してからブラッシングするタイプの歯磨剤です。液体歯磨剤は「液体であるため、口腔内の狭い部位にも届きやすい」ことがメリットです。デンタルリンスとは別物なので注意が必要です。
★基本成分とは?★
①清掃剤→歯の表面を傷つけずにプラークやステインなど、歯の表面の汚れを落とす
②湿潤剤→歯磨剤に適度な湿り気と可塑性を与える
③発泡剤→口中に歯磨剤を拡散させ汚れを除去する
④粘結剤→粉体と液体成分を結合させ、保型性や適度の粘性を与える
⑤香味剤→香味の調和を図る、爽快感と香りをつけ、歯磨剤を使いやすくする
⑥保存料→変質を防ぐ
★薬用成分によるもの★
①むし歯予防→フッ化物(フッ化ナトリウム・モノフルオロリン酸ナトリウム)
殺菌剤(クロルへキシジン塩類・塩化ベンゼトニウム・トリクロサン・塩化セチルピリジニウムなど)
プラーク分解酵素(デキストラナーゼ)
②歯周病予防→殺菌剤(クロルへキシジン塩類・塩化ベンゼトニウム・トリクロサン・塩化セチルピリジニウムなど))
③歯石の沈着予防→ポリリン酸ナトリウム・ピロリン酸ナトリウム
④象牙質知覚過敏の抑制→乳酸アルミニウム・硝酸カリウム
これを基礎化粧品に例えて考えてみましょう。乾燥肌・敏感肌・脂性肌・くすみ・毛穴などの肌の状態は、人によってまったく違いますね。乾燥肌の方には保湿成分がたっぷり配合されている化粧水がよいでしょうし、脂性肌の方にはさっぱりした成分配合のものを、吹き出物がでやすい方には消炎剤配合のものがよいと思います。
なのに乾燥肌の方が、さっぱりした基礎化粧品を使っていては、いつまでもお肌が乾燥し続けるかもしれません。このように今の状態にあった適切な製品の選択が重要です。
次回からこの薬用成分による歯磨剤の種類についてもう少し掘り下げてお話したいと思います。
実際のお口の中の状況によっては、自分で判断しづらいことも多いかと思いますので、ぜひ一度検診にいらしてください !
ふみデンタルクリニック 歯科衛生士