予防歯科ってなに?①
- 2023年7月20日
- 予防歯科
こんにちは。
菊川・森下。清澄白河の歯医者、ふみデンタルクリニックでございます。
本日は当院が最も力をいれている『予防歯科』についてのお話をさせていただきます。
『予防歯科』の先進国と呼ばれるスウェーデンでは、日本よりも30年以上早くから国をあげて『予防歯科』の研究が推奨されていました。
その結果、歯周病やむし歯の予防に関する医学的根拠の大半がスウェーデンの大学から生まれました。
そうした経緯もあり、スウェーデンの方々の予防への意識は日本よりも高くなっています。
今回はこの『予防歯科』の日本とスウェーデンとの違いを4つの項目でそれぞれお話させていただきたいと思います。
まず1つ目のテーマは『予防歯科』の理解度の違いです。
前述したようにスウェーデンより30年以上前から『予防歯科』に対する様々な調査と研究が行われました。
その結果、むし歯予防にはセルフケア(患者様のケア)とプロフェッショナルケア(歯科医院でのケア)の両方が重要であることがわかりました。
以降歯科治療ではそれまでの対症療法でなく『予防歯科』がより重要であると考えられるようになったのです。
では『予防歯科』とは何でしょうか?
実はこの『予防歯科』を理解されているかを尋ねた結果、スウェーデンでは約60%に対し、日本では約21%に過ぎません。
当院の『予防歯科』の方針
「歯を治療する」から「歯を守る」
歯は体の骨と同じ硬組織疾患と呼ばれる組織です。骨折してしまった場合はギブスで固定すれば骨ができて治ります。しかし、歯は同じ硬組織でも再生能力がありません(初期のむし歯は再石灰化します)むし歯ができて治療をおこなったとしても、人工的な対症療法でしかありません。お口の中の健康を維持するための根本は「むし歯から歯を守る」ことと考えています。
「早期発見早期治療」
できてしまったむし歯に関しては「早期発見・早期治療」することで、最低限の範囲で治療をおこなうことができます。どれだけ歯科治療が進歩しても、精巧な治療をおこなっても、お口の中は常に細菌が繁殖している状態のため歯科材料は劣化します。
劣化した部分に隙間ができて、むし歯の再発がおこるリスクがあります。患者様は「治療すればもとに戻る」と認識されている方が多いですが、正確には「機能を回復させる」ことしかできないのです。
「ライフステージ」による病気のリスクの変化
先天的にむし歯になりやすい方は一定数いらっしゃいますが、むし歯のリスクが高い年齢の時期と歯周病のリスクが高い年齢の時期は異なります。若いころはむし歯にならなかったのに、年齢を重ねて歯周病が原因で歯ぐきが下がり歯の間の隙間があいたことで、むし歯になりやすくなる場合もあります。また年齢を重ねて「ライフスタイル」が変化することで適切なセルフケアも変わっていきます。
「家族単位」の予防歯科
むし歯や歯周病は「感染症」であり、一人ひとりの予防も大切ですが「家族単位」の予防も重要となります。ご家族でのスキンシップを通して伝染するため、家族全員のお口の健康を維持する必要があります。
また、お子さまへの「マイナス1歳からの予防歯科」、姿勢・歯並びに影響するクセ・呼吸の仕方を改善しながら「適切な歯並びの育成」「食育・栄養指導」をご家族の協力のもとにおこなうことが、「むし歯ゼロ」「きれいな歯並び」そして健やかなお子さまの成長につながります。
ご自身が「歯を守れる」を
1~3ヶ月毎に定期検診に来ていただいても、当院でお口の中をきれいな状態にすることができるのは一時的になります。それまでの日常はご自身のセルフケアにかかっています。そのために「歯について学んでいただく場所」として、患者様ご自身が「歯を守れる」ようになっていただくことが最終的なゴールと考えています。それが「自分の体を知る」習慣を作り、健康意識の向上から全身の健康の維持につながります。
つまり、「予防歯科」は人間ドックのように、今お口の中がどんな状態か、これからどんなリスクが出てくるのか、リスクに繋がる原因はなにかを定期的に診させていただくことです。
この「予防歯科』が末永い患者様のお口の健康を守る第一歩と考え、当院では大切にしています。
次回は2つ目のテーマの『70歳で残っている歯の数の違い』についてお話します。
ふみデンタルクリニック 吉田 ふみ